居場所はきっとあるはずだから

備忘録を兼ねた日々のメモ帳

ワンワンポスト

うちの子どもたちは小さな頃から犬や猫が好き 今もそうだ

うちは住宅事情で動物を飼うことは禁止

犬や猫は子供を育てていくうえで とても良い影響を与えると聞いたことがある

逆に猫を飼っていて そこの家に子供が生まれると 今まで可愛がられていた猫がヤキモチを焼き 赤ちゃんの顔に乗っかって赤ちゃんが窒息死してしまった そんなことを聞いたことがある 何人もから…

都市伝説か…


幼稚園に入る前の私は 毎日毎日近所の子と遊んでいた

畑の土をこねておままごと 探検だ!と言って幼馴染の子と町内をめぐる よその庭に植えてある真っ赤なトマトをいただく(昔のトマトは甘かった) その後は家の裏の通りにあるバレエ教室へ向かうのだが 家からまっすぐ行けば2〜3分で行けるのだが そこは道がなく

それに整地もしていないから 山あり谷あり自然のふきがかくれんぼしても 半日は見つからないくらいおがっていて(育って) とても通れるところではない

うちの前を通り 少し大きな通りに出てそのバレエ教室へ かなり歩く でもそこは違う町内 違う世界 ご近所さんではないからか

そこの町内と私達の町内はなんの接点もないような…そこの町内の子とは一度も遊んだことがなかった


不思議とそちらは女の子ばかり 男の子はその子達のお兄ちゃんで より接点がない

私達の方は男の子ばかり その兄弟も男の子

だから私は紅一点! 小さな頃は本当にお姫様だった みんな優しかった 特に毎日遊んでいた幼馴染の3個上のお兄ちゃんは「冴ちゃん 冴ちゃん!」って色んなことを教えてくれた

今でも忘れないのが スナック菓子の最後の食べ方だ お行儀よく育てられた私は お菓子は器に盛った物しか食べたことがなかった

袋から直接なんてなんてこと!の母だから


幼馴染と遊んでいたら お兄ちゃんが袋に入ったスナック菓子を持ってきてくれた

私は一つずつ袋に手を入れつまんでいた 最後に細かくなったのを必死で取っていたら

「冴ちゃん ほら 見ててごらん こうやって こうして食べてみな ぜーんぶ口の中に入ってくるから」と 袋の角を口に付け “ザーッ”と口に流し込む うわっ!凄い!

つかさず真似をする 「上手!上手!ねっ?できただろ?」

行儀が悪いのはわかっているけど 今でも最後はそうして食べる私 子供たちにも行儀が悪いと注意しなければならなかったのに スナック菓子の最後の食べ方を教えたのは この私です


さて探検の続きです バレエ教室を窓の外から眺めたあとは またぐるっと戻ってきて町内の公園でシメるのが私達の日課みたいなものでした

そこの公園は遊具なんてものはなく ただ だだっ広く 角に土管が3つ重なったのがあるだけ コンクリートで出来ているそれは土管であってる?んー…ドラえもんののび太達が遊ぶ公園のものと同じと言えばわかってもらえるだろうか

その中に入って体育座りをして ずーっと喋っていたな それが楽しくて仕方なかった


でもその日は違った いつものように幼馴染と走って土管へ行くと 小さなダンボールがあった シーツのような白い布が見え めくってみると3匹の小さな子犬が入っていた

とっさに“家で飼いたい!”と一匹抱いて幼馴染と一目散に私の家へ行った

もちろん大声で怒鳴り散らされ ダンボールに戻してこい!と

負けじと必死に説明をするのだが聞いてくれるわけもなく

私と幼馴染はしょんぼりと公園へ

歩きながら計画を立てた 子犬にみんなでエサをやりずっと公園で飼おう!そしたらみんなの家にも迷惑がかからない!満場一致(二人だけ)


私と幼馴染は町内の知っている子の家をまわり 子犬の説明をした 夕方学校組が帰ってきたら決行!

幼馴染の家でお兄ちゃんを待つ 帰ってきたお兄ちゃんに説明し お兄ちゃんも友達を誘う そうして集まった10人の有志たち!いざ!公園へ


まず小学生組が土管に入る ダンボールは出さない カラスに狙われ 親達にバレるから

幼馴染のお兄ちゃんの友達は食パンを食べさせようとした まだ目も開いていない小犬にだ そこが子供のやることである もう一人の友達が「まだ赤ちゃんだから牛乳だ!」と言って 走って家に取りに行った

瓶のまま持ってきてシーツにしめらせる

それじゃ駄目だ 違う友達が「皿持ってくる!」と家に走る 持ってきた小皿に牛乳を注ぎ置く

早く見たいが10人がドラム缶に入るのは無理だ 順番が来るまで待つ 上手く飲めないうえこぼしてしまった…どうしたら飲める?

幼馴染のお兄ちゃんが小学生組に

「そうだ!習字セットのスポイト きれいに洗ってもってこい!


小学生組が取りに行ってる間 私達は順番に抱っこしていた

みんなが戻ってきて それぞれスポイトで口の中に入れる

子犬が飲めるか心配しながらも 私は子犬よりスポイトに興味がわき「それなーに?どこにあるの?本当は何に使うの?」って 優しいお兄ちゃんたちはみんなで一斉に教えてくれた 習字セットねぇ

小学生になると買ってもらえるんだ それにスポイトが入ってるんだ 早く小学生になりたいな


私達は子犬の世話を続けた

いつ行っても誰かがいた シーツが汚くなれば誰かが取り替えてくれていた

ダンボールが新しくなっていた日もあった

当時半ドンだった土曜日 10人全員が揃った

ひとりの小学生が「毎日来てたけど俺明日来れない 家族で出掛けちゃうから」

すると 次から次へと 俺も…俺もだ…僕もだよ…

「冴ちゃん来れる?」

「私も従姉妹の家に行く…」

じゃあ 牛乳と猫まんま 今日たくさん置いていこう!


月曜日が待ち遠しかった 従姉妹と会っても その子犬の話ばかりしていた

「いいなぁ冴ちゃん 私も子犬に会いたいな 今度見に行ってもいい?」話が弾んで

「今度の日曜日ママと行くね」って


月曜日 幼馴染が迎えに来た

「冴ちゃーん」幼馴染は何やらたくさんの餌を持ってきてる

「冴ちゃん お水持っていける?」

母は裏の畑の草取りをしている

窓から言えば家には来ない 今言ってさっさと行かなきゃ バレると困るからコップを持っては行けない ふと見ると朝飲んだストロベリーのジョアの入れ物 急いで水を入れ 幼馴染に持っててもらう

裏の窓から「お母さん 公園に行っていい?」珍しくすんなり了解 ドキドキが少し小さくなった頃 私達は公園に着いた


一目散で土管へ

クンクン声がしない

え?誰かが連れて行った?

幼馴染とわけもわからずダンボールにとびついた

少し毛が濡れているような気がした

可哀想でたまらなくなり早く抱っこしようと思ったとき 幼馴染が「冴ちゃん なにか動いてる!」うじ虫だった

うようよしていてゾクッと身震いした


私達は泣きながら大きな段ボールを二人で抱え

坂の下の大きな公園のワンワンポストに入れに行った

ワンワンポストは大きな公園に設置してある

土佐犬も入る大きな柵で出きたもので 上にがスライドになっていて 飼えなくなった動物を入れるもの そして週に2回保健所が引き取りに来るのだ

多いときは 大きな犬が3匹入っているのを見たことがある


「帰ろうか…」幼馴染が言う

「うん…」

従妹に子犬見せてあげたかったな…


後にわかることになったのだが

ワンワンポストに入れられた犬たちは

殺処分されるんだって…

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